東京都の経営事項審査を専門に取り扱う行政書士法人スマートサイドでは、「W」の3つの制度の加入・導入によって、総合評定値P点を「対策を行わなかったシミュレーション値680点」から「実際に取得した739点」へ、59点アップさせた実績があります。
今回ご紹介するのは、東京都内の建設会社B社の成功事例です。B社は、技術職員の人数が社長を含め5名という小さい会社であったため、「W評点」の中の「W1:建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組状況」がおろそかになっていました。
この記事では、「W評点」の中でも比較的対策しやすい「建退共」「退職金規定」「法定外労災」の対策を行った場合と、そうでない場合を比較して、「シミュレーション値」と「実際に取得した点数」を用いて解説していきます(※守秘義務に配慮し、事例の一部を加工しています)。
経営事項審査の審査項目の中には「W」という審査項目があります。このWは「社会性」や「その他の審査項目」と呼ばれ、W1~W8の8つに分かれています。この中でも、比較的対策がしやすく、即効性のある項目として注意すべきなのが
①建退共の加入状況
②退職一時金もしくは企業年金制度の導入
③法定外労災の加入状況
の3つです。
このページでは、上記の3つの制度を「加入・導入しなかった場合のシミュレーション値」と、「実際に加入・導入して取得した実数値」を比較して、B社の成功事例を説明していきます。そのため、「W(社会性・その他の審査項目)」全般について詳しく知りたい方は、「経営事項審査のW評点(社会性)とは?8つの評価項目と点数をわかりやすく解説」のページをご覧ください。
また、そもそも、「経営事項審査とは」という基本的なことについて、知りたい方は、以下のページをご参考ください。

東京都の経営事項審査の専門家。経審の手続きはもちろんのこと、制度や仕組みだけでなく東京都の独特のルールにも精通。クライアントが、総合評定値P点を100点以上アップしたり、2億円を超える東京都の公共工事を受注するなど、数多くの成功実績を誇り、お客さまからの信頼も厚い。「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版。
経営事項審査のW評点対策
3つの制度の概要
経営事項審査におけるW評点の審査項目の中で、特に取りこぼしのないように注意したいのが、以下の3つの制度です。
| 制度 | 詳細 |
|---|---|
| ①建退共への加入状況 | 建設業退職金共済制度に加入し、加入・履行証明書を提示することによって、経審の際に、W1の数値が15点加算されます。 |
| ②退職一時金もしくは企業年金制度の導入 | 退職一時金制度(もしくは企業年金制度)の導入で、経審の際に、W1の数値が15点加算されます。 |
| ③法定外労災制度の加入状況 | 法定外労災への加入を証明することによって、経審の際にW1の数値が15点加算されます。 |
専門家の視点
これらの加点事由については、さまざまな条件があります。
たとえば、「①建退共への加入状況」については、建退共に加入しているだけでは足りず、建退共の運営元である「独立行政法人勤労者退職金共済機構」から、「加入・履行証明書」を発行してもらわなければなりません。
また、「②退職一時金制度の導入」で加点を得るには、就業規則のほか退職金規定の提示が必要で、いずれも、労働基準監督署の受付印があることが求められています。
さらに「③法定外労災制度」については、「(ア)業務災害と通勤災害の両方を担保していること」「(イ)労働災害補償保険の傷害等第1級から第7級までを補償していること」など、4つの条件を満たしていることが必要です。
各制度の詳細については、下記ページをご覧ください。
対策を行わなかった時のシミュレーション値
B社が、上記3つの制度について、いずれの対策も行わなかった場合のシミュレーション値は、以下の通りです。
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| W1 | 0点 |
| W評点 | 175点 |
| P点 | 680点 |
対策した場合の実数値
3つの制度への加入・導入によって、W1の評価点は合計45点アップしました。これに伴い、B社のW評点は、対策を行わなかった場合の試算値175点から、実際の568点へ393点上昇しました。さらに、総合評定値P点は、対策を行わなかった場合の試算値680点から、実際に取得した739点へ59点アップしました。
| 項目 | 対策前 | 対策後 | アップした点 |
|---|---|---|---|
| W1 | 0点 | 45点 | +45点 |
| W評点 | 175点 | 568点 | +393点 |
| P点 | 680点 | 739点 | +59点 |
なぜW評点の対策を提案したのか?
B社から経営事項審査の相談を受けた際、行政書士法人スマートサイドでは、これまでの申請内容やW評点の加点状況を確認しました。
その結果、B社は建退共、退職一時金制度、法定外労災制度の3項目で加点を受けておらず、制度への加入・導入によってP点を改善できる可能性があることがわかりました。
そこで、次回の審査基準日までに必要な制度の整備を進めるとともに、東京都の経営事項審査で加点を受けるための証明書類についても確認し、準備を進めることをご提案しました。
ここで、重要なのは、なぜ、このような提案をするに至ったかという理由です。
理由1:東京都の公共工事の格付けとの関連性
B社は、3つの制度への加入・導入によって、総合評定値P点を680点(試算値)から739点(実際の取得点数)へ改善しました。
東京都の入札参加資格における「07:建築工事」では、客観点数が750点以上になると、客観等級がBになります。そのため、今回の対策によって、B等級の基準となる750点まで、あと11点というところまで近づくことができました。
なお、東京都の最終的な格付けは、客観等級だけでなく主観等級も考慮して決定されます。
理由2:加入・導入の判断が、決算日時点であるということ
続いて、3つの制度の加入・導入は、決算日時点を基準に、判断されます。つまり、決算日時点で、建退共に加入していたり、退職金制度を導入していれば、良いのです。逆に言うと、決算日を過ぎてしまうと、今回の経審の加点事由にはなりません。この場合、次回の経審での加点事由にしかならないのです。
理由3:他社との競争において不利にならないため
経営事項審査では、完成工事高や技術職員数が同程度の建設会社であっても、W評点の加点状況によって、総合評定値P点に差が生じます。今回のB社のように、建退共、退職一時金制度、法定外労災制度の3項目について対策を行うことで、P点が59点改善するケースもあります。
東京都の公共工事入札を目指す建設会社にとって、こうした加点項目を見落とさず、適切に対策することが重要です。
経営事項審査の専門家としてのアドバイス
経営事項審査の審査項目は「X1:業種別平均完成工事高」「X2:自己資本額+利益額」「Y:経営状況分析」「Z:技術力」「W:社会性(その他の審査項目)」と多岐にわたります。なかでも「W:社会性(その他の審査項目)」はW1~W8に細かく分かれているばかりでなく、W1~8までの数値を、W評点に換算するための計算式(10×175÷200)も複雑です。
さらに言うと、W評点で加点対象になるには、どういった書類が証明書類として求められているのか?という点も、十分に意識しなければなりません。せっかく「建退共に加入しているのに、必要書類が出せなくて、経審の加点事由とならなかった」という会社も実際に多いです。
こういった点については、経審の手続きになれている専門家でないと、わからない点が多いかと思います。
もしみなさんが、
■ 経審の手続きで困っている
■ より良い点数を取得したい
■ どうせなら手続きの専門家に外注したい
とお考えの場合には、ぜひ、行政書士法人スマートサイドにご連絡ください。







