
経営事項審査結果通知書(経審結果通知書)とは、経営事項審査(経審)を受けた建設業者に対して、許可行政庁から交付される書類です。正式名称を「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」といい、「総合評定値P点」が記載されています。この「総合評定値P点」は、経営事項審査の結果の点数であると同時に、公共工事の入札参加資格の等級(ランク)の基礎となる点数です。

「経営事項審査結果通知書」という書類名で検索してこのページにたどり着いた方の多くは、
■ 実際に手元に届いた結果通知書を見ても、どこに何が書いてあるのか分からない
■ 紙申請と電子申請(JCIP)で、受け取り方に違いがあるのか知りたい
■ 結果通知書をなくしてしまった、あるいは有効期限がいつまでか確認したい
といった状況にあるのではないでしょうか。このページでは、東京都の経営事項審査の専門家である行政書士法人スマートサイドが、経営事項審査結果通知書という書類そのものに焦点を絞り、記載内容の見方、受け取ったら確認すべきこと、受け取り方、有効期限、紛失時の対応を解説します。

東京都の経営事項審査の専門家。経審の手続きはもちろんのこと、制度や仕組みだけでなく東京都の独特のルールにも精通。クライアントが、総合評定値P点を100点以上アップしたり、2億円を超える東京都の公共工事を受注するなど、数多くの成功実績を誇り、お客さまからの信頼も厚い。「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版。
この記事の要点(まとめ)
- 経営事項審査結果通知書とは、経審を受けた建設業者に許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)が交付する書類で、正式名称は「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」という
- 2つの名称が併記されているのは、許可行政庁が評価する「経営規模等評価(X1・X2・Z・W)」と、これに経営状況分析(Y)を加えた「総合評定値(P点)」の2つの結果を、1枚にまとめて通知しているため
- 受け取ったら、まず「審査基準日」と「業種ごとの総合評定値(P点)」を確認する。P点は入札参加資格の等級(ランク)の基礎になる
- 受け取り方は、紙で申請した場合と電子申請(JCIP)で申請した場合とで異なる場合がある
- 有効期限は、「経審を申請した日」や「通知書を受け取った日」ではなく、「審査基準日(決算日)」から1年7か月
- 結果通知書は原則として再発行できない。記載内容は、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のウェブサイトで公表されている
1.経営事項審査結果通知書とは
経営事項審査結果通知書とは、経営事項審査(経審)の結果として、許可行政庁から建設業者に交付される公的な書類です。公共工事の入札参加資格申請で必ず必要になるほか、元請会社や民間の発注者から、「取引先としてふさわしいか(=会社の規模や実績や信頼性)」を確認する資料として提出を求められることもあります。
正式名称・略称・交付するのは誰か
経営事項審査結果通知書の基本的な情報は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書 |
| 主な呼び方 | 「経営事項審査結果通知書」「経審結果通知書」「結果通知書」 |
| 交付するのは誰か | 建設業許可を受けている許可行政庁(国土交通大臣許可の場合は地方整備局等、東京都知事許可の場合は東京都) |
| 交付される人 | 経営事項審査を申請した建設業者 |
| 主に記載されていること | 審査基準日、申請した業種、業種ごとの総合評定値(P点)、評点の内訳(X1・X2・Y・Z・W)など |
| 主な使い道 | 国・都道府県・市区町村への入札参加資格申請、取引先への提出 |
経営事項審査結果通知書は、「経審を受けたことの証明」であると同時に、「公共工事の発注者が会社を評価するための成績表」という2つの役割を持つ書類です。
なお、経審という制度そのものの目的・対象者・結果通知書を受け取るまでの手続きの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「経営規模等評価結果通知書」と「総合評定値通知書」が併記されている理由
経営事項審査結果通知書の正式名称は「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」です。「経営規模等評価結果通知書」「総合評定値通知書」というように2つの名称が併記されているのは、「経営規模等評価」と「総合評定値」という2つの評価結果を、1枚の書類にまとめて通知しているためです。
経営事項審査は、正確には、許可行政庁に会社の規模や技術力などを評価してもらう「経営規模等評価の申請」と、その結果に経営状況分析の結果を合わせた点数を求める「総合評定値の請求」という2つの手続きで構成されています。実務上はこの2つを同時に行うのが一般的なため、結果も1枚の通知書で交付されます。
それぞれの評価の関係を整理すると、次のとおりです。
| 評価の種類 | 評価される項目 | 評価する機関 | 通知書での名称 |
|---|---|---|---|
| 経営規模等評価 | 完成工事高(X1) 自己資本額・利益額(X2) 技術力(Z) 社会性等(W) |
許可行政庁 | 経営規模等評価結果通知書 |
| 経営状況分析 | 経営状況(Y) | 登録経営状況分析機関 | (結果が通知書に反映される) |
| 総合評定値 | X1・X2・Y・Z・Wを合わせた最終的な点数(P点) | 許可行政庁 | 総合評定値通知書 |
このように、X1・X2・Z・Wの4項目は許可行政庁が直接評価し、Yだけは民間の登録経営状況分析機関が算出します。そして最終的に、許可行政庁が5つの評点を合わせた総合評定値(P点)を算出し、1枚の通知書にまとめて記載します。
2.経営事項審査結果通知書の見方|どこに何が書いてあるか
経営事項審査結果通知書は、大きく分けて「会社の基本情報」「業種ごとに評価される項目(X1・Z・P点)」「会社全体で評価される項目(X2・Y・W)」の3つで構成されています。受け取ったら、まず「審査基準日」と「業種ごとの総合評定値(P点)」を確認しましょう。
最初に確認する3項目|審査基準日・申請業種・業種ごとのP点
結果通知書を受け取ったら、細かい評点を見る前に、次の3項目を確認します。この3つは、入札参加資格申請や取引先への提出で、必ず確認される項目です。
| 記載項目 | 何を表すか | 確認のポイント |
|---|---|---|
| ①審査基準日 | 評価の基準となった日。通常は、経審を申請した直前の決算日 | 自社の決算日と一致しているか。有効期限(審査基準日から1年7か月)の起算日になる |
| ②申請した業種 | 経審を受けた建設業の業種(建築一式、電気など) | 入札に参加したい業種がすべて載っているか。建設業許可を持っていても、経審を受けていない業種にはP点がつかない |
| ③業種ごとの総合評定値(P点) | 業種ごとに算出された最終的な点数 | 入札参加資格の等級(ランク)の基礎になる、通知書の中で最も重要な数字。前回の通知書と比べて大きく変動していないか |
A:P点を構成する5つの評点のうち、完成工事高(X1)と技術力(Z)は、経審を申請した業種ごとに評価される一方、自己資本額・利益額(X2)、経営状況(Y)、社会性等(W)は、業種ごとではなく、会社全体で評価の対象になります。そのため、業種ごとの売上実績や技術職員の数の違いが、そのまま業種ごとのP点の違いとして表れるのです。
評点の内訳(X1・X2・Y・Z・W)が表していること
経審の結果である総合評定値P点は、「X1・X2・Y・Z・W」から構成されます。P点の内訳となる5つの評点は、それぞれ次の内容を表しています。評価の単位(業種ごとか、会社全体か)とあわせて把握しておくと、通知書の見方がぐっと分かりやすくなります。
| 評点 | 評価の単位 | 何を表すか | 通知書で確認するポイント |
|---|---|---|---|
| ④X1 | 業種ごと | 業種別の年間平均完成工事高(売上の実績) | 決算変更届で届け出た完成工事高が、業種ごとに正しく反映されているか |
| ⑤X2 | 会社全体 | 自己資本額と平均利益額(会社の財務基盤) | 決算書の純資産や利益の数字と大きくずれていないか |
| ⑥Y | 会社全体 | 登録経営状況分析機関が算出した経営状況の評点(経営の健全性) | 経営状況分析結果通知書に記載された評点と一致しているか |
| ⑦Z | 業種ごと | 技術職員の数と、業種別の年間平均元請完成工事高(技術力) | 技術職員の人数が実態どおりか。元請としての実績が反映されているか |
| ⑧W | 会社全体 | 労働環境の整備、法令遵守、防災協定などの社会性等 | 建退共・退職金制度・法定外労災などの各項目の「有・無」や数値が、自社の実態どおりか |
このように、結果通知書の数字の多くは、決算変更届や経営状況分析など、経審の前に提出した書類の内容がもとになっています。通知書を見て「思っていた数字と違う」と感じたときは、まず、もとになった決算変更届や申請書類の内容と照らし合わせてみることが大切です。具体的な確認の手順は、次の章で解説します。
各評点がどのように計算されてP点になるのか、また、どの評点から優先して対策をすると効率よく点数を伸ばすことができるか、については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
3.結果通知書を受け取ったら確認すべきこと
経営事項審査結果通知書を受け取ったら、すぐに申請書や決算変更届の内容と照らし合わせ、記載内容に誤りがないかを確認しましょう。
通知書の数字は、そのまま入札参加資格の等級(ランク)に使われます。誤りに気づかないまま入札参加資格を申請してしまうと、本来より低いランクに格付けされるおそれがあるため、受け取った直後の確認は、とても大切です。
確認チェックリスト|何と照らし合わせればよいか
結果通知書の各項目は、経審の前に提出した「決算変更届」や「経営状況分析」の書類の内容をもとに作成されています。次の表のように、「通知書の項目」と「照らし合わせる書類」をセットで確認すると、見落としを防げます。
| 通知書の確認項目 | 照らし合わせる書類 | 確認のポイント | |
|---|---|---|---|
| 1 | 審査基準日 | 決算書(財務諸表) | 直前の決算日になっているか |
| 2 | 商号・所在地・許可番号 | 建設業許可通知書、変更届 | 変更届を出した内容が反映されているか |
| 3 | 申請した業種 | 経営事項審査の申請書 | 入札に参加したい業種に漏れがないか |
| 4 | 業種ごとの完成工事高・元請完成工事高 | 決算変更届(工事経歴書・工事種類別完成工事高) | 業種ごとの金額が申請どおりか。2年平均・3年平均の選択が申請どおりか |
| 5 | 技術職員数 | 技術職員名簿 | 人数と資格区分が申請どおりに反映されているか |
| 6 | 自己資本額・利益額(X2) | 財務諸表 | 純資産や利益の数字と整合しているか |
| 7 | 経営状況分析の評点(Y) | 経営状況分析結果通知書 | 分析機関から届いた評点と一致しているか |
| 8 | 社会性等(W)の各項目 | 申請書、各制度の加入証明書など | 建退共・退職金制度・法定外労災・防災協定などの「有・無」が申請どおりか |
| 9 | 業種ごとの総合評定値(P点) | 前回の結果通知書 | 前回から大きく変動した業種はないか。変動の理由を説明できるか |
特に9番目の「前回の結果通知書との比較」は、誤りを見つけるだけでなく、自社の状況の変化に気づくきっかけにもなります。P点が大きく下がった業種があれば、完成工事高・技術職員数・社会性等のどの評点が変動したのかを、前回の通知書と1項目ずつ見比べてみましょう。
記載内容に誤りを見つけたときの対応
万が一、結果通知書の記載内容に誤りを見つけたときの対応は、「誰の誤りか」によって大きく異なります。
| 誤りの原因 | 対応 |
|---|---|
| 行政庁(審査)側の処理の誤り | 結果通知書を受け取った日から30日以内に限り、許可行政庁に再審査を申し立てることができる(※関東地整の手引き参照) |
| 申請者側の誤り(記入漏れ・記入誤り・確認書類の不足など) | 再審査の対象にならないため、次回の経審で正しく申請する必要がある |
| 経営状況分析(Y)の結果 | 許可行政庁への再審査の対象外。分析結果に疑問がある場合は、経営状況分析を行った登録経営状況分析機関に問い合わせる |
つまり、再審査で救済されるのは許可行政庁側の誤りに限られ、申請者自身の記入誤りや書類不足は、その期の結果通知書では修正できません。30日という期限もあるため、結果通知書は受け取ったらすぐに確認し、疑問点があれば速やかに許可行政庁へ問い合わせることが重要です。
なお、再審査の手続きや期限の取扱いは、許可行政庁の手引きに定められています。行政によって扱いが異なることがあるため、必ず、審査行政庁の手引きで確認をしてください。
(経審の専門家としての視点)
「申請者側の誤りは修正できない」からこそ、申請前の確認が重要です。
結果通知書の誤りのうち、実務で多いのは、許可行政庁側の誤りよりも、申請書類の記入誤りや、加点できたはずの項目の申請漏れなど、申請者側に原因があるものです。これらは再審査の対象にならないため、次の決算で改めて経審を受けるまで、その結果通知書のまま入札参加資格を申請することになります。
結果通知書を受け取った後に後悔しないためには、申請前の段階で、書類の内容や加点できる項目の漏れがないかを十分に確認しておくことが何より大切です。
4.結果通知書の受け取り方と、届くまでの期間
東京都知事許可の場合、経営事項審査結果通知書は、窓口(紙)で申請した場合も電子申請(JCIP)で申請した場合も、紙の通知書が郵送で届きます。交付までの標準処理期間は、申請受付から22日(閉庁日を含まない)です。
受け取り方や期間は、許可行政庁によって取扱いが異なります。以下は東京都知事許可の場合を中心に解説していますので、国土交通大臣許可や他の道府県知事許可の場合は、申請先の許可行政庁の手引きを必ず確認してください。
窓口(紙)で申請した場合
東京都の窓口で書類一式を提出して審査を受けた場合、審査が完了すると、紙の結果通知書が郵送で届きます。窓口で直接受け取るのではなく、後日、郵送で届くという点を押さえておきましょう。
電子申請(JCIP)で申請した場合
建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)で申請した場合も、東京都では電子データ(PDF)での交付は行っておらず、窓口審査と同じく紙の結果通知書が郵送されます。「電子申請をしたから、通知書もJCIP上でダウンロードできる」というわけではない点に注意が必要です。
一方、国土交通大臣許可(関東地方整備局)の場合は、JCIPで申請する際に、結果通知書を電子ファイルで受け取るか、紙で受け取るかを選べる取扱いになっています。このように、電子申請での受け取り方は許可行政庁ごとに異なります。
| 申請方法 | 東京都知事許可 | 国土交通大臣許可(関東地方整備局) |
|---|---|---|
| 窓口(紙)申請 | 紙の通知書を郵送 | 紙の通知書 |
| 電子申請(JCIP) | 紙の通知書を郵送(電子交付なし) | 電子ファイル(JCIP上で交付)と紙の、どちらかを選択 |
※取扱いは変更されることがあります。申請前に、各許可行政庁の最新の案内を確認してください。
結果通知書が届くまでの期間
東京都の場合、結果通知書の交付に要する標準処理期間は、紙で申請した場合も電子申請の場合も、申請受付から22日(閉庁日を含まない)です。土日祝日を含めた暦日に換算すると、おおむね1か月程度が目安になります。
| 項目 | 内容(東京都知事許可の場合) |
|---|---|
| 標準処理期間 | 申請受付から22日(閉庁日を含まない)。暦日ではおおむね1か月程度 |
| 電子申請の「申請受付」 | 申請データを送信し、JCIP上の状態が「確認待ち」になった時点 |
| 期間に含まれないもの | 審査手数料の納付にかかる期間、書類の補正にかかる期間 |
注意したいのは、書類の不備による補正や、手数料の納付が遅れた期間は、標準処理期間に含まれないという点です。補正が重なると、そのぶん結果通知書が届くのも遅くなります。入札参加資格申請の締切や、取引先への提出期限が決まっている場合は、余裕をもって経審を申請しておきましょう。
5.結果通知書の有効期限はどこを見て確認する?
経営事項審査結果通知書の有効期限は、通知書に記載されている「審査基準日」から1年7か月です。そのため、継続して公共工事の入札に参加する会社は、毎年、経審を受け続けなければなりません。経審の有効期限が切れると入札に参加することができないからです。
有効期限は、通知書を受け取った日や、経審を申請した日から数えるのではありません。有効期限の日付そのものは通知書に書かれていないため、審査基準日の欄を確認し、そこから1年7か月後の日付を自分で計算する必要があります。審査基準日は、通常、経審を申請した直前の決算日です。
決算日別|有効期限の早見表
主な決算日ごとの有効期限は、次のとおりです。
| 審査基準日(決算日) | 有効期限 | 次の結果通知書が必要な時期 |
|---|---|---|
| 令和8年3月31日 | 令和9年10月31日 | 令和9年10月31日まで |
| 令和8年9月30日 | 令和10年4月30日 | 令和10年4月30日まで |
| 令和8年12月31日 | 令和10年7月31日 | 令和10年7月31日まで |
たとえば、9月30日決算の会社で、通知書の審査基準日が「令和8年9月30日」となっていれば、その結果通知書は、1年7か月後の、令和10年4月30日まで有効です。令和9年9月30日決算の経審結果通知書は、「令和10年4月30日」までに受領しておく必要があります。
有効期限が切れる前に「次の結果通知書」を受け取っておく
有効期限の管理で最も大切なのは、今の結果通知書の有効期限が切れる前に、次の決算に基づく新しい結果通知書を受け取っておくことです。経審を申請しただけでは足りず、有効期限内に結果通知書の交付を受けていなければ、入札に参加できない空白期間が生じてしまいます。
有効期限は「前回の審査基準日から1年7か月」なので、言い換えると、次の決算日から7か月以内に、新しい結果通知書を受け取る必要があるということになります。この7か月の間に、決算変更届の提出、経営状況分析、経営事項審査の申請を済ませ、さらに東京都の場合は申請受付から22日(閉庁日を含まない)の審査期間を見込まなければなりません。
| 例:9月30日決算の会社 | 日付 |
|---|---|
| 今の結果通知書の審査基準日 | 令和8年9月30日 |
| 次の決算日(次の審査基準日) | 令和9年9月30日 |
| 今の結果通知書の有効期限 | 令和10年4月30日 |
| 新しい結果通知書を受け取る期限 | 令和10年4月30日まで(次の決算日から7か月以内) |
補正などで審査が長引くこともあるため、決算後はできるだけ早く準備に取りかかり、有効期限まで余裕をもって新しい結果通知書を受け取れるようにしましょう。
6.経審の結果はインターネットで公表されている
経営事項審査結果通知書の内容は、一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のウェブサイトで公表されており、誰でも無料で閲覧できます。自社の結果だけでなく、取引先や同業他社の結果も確認することができます。
公表されている主な項目
CIICのウェブサイトで確認していただけるとわかるかと思いますが、インターネット上には、結果通知書の内容がそのまま掲載されていて、印刷できるようになっています。そのため、以下のようなすべての情報を閲覧(確認)することができます。
| 区分 | 公表される主な内容 |
|---|---|
| 会社の基本情報 | 商号、所在地、許可番号、審査基準日など |
| 業種ごとの評価 | 業種別の完成工事高・元請完成工事高、技術職員数、総合評定値(P点)など |
| 財務・経営状況 | 自己資本額、利益額、純支払利息比率や負債回転期間などの経営状況分析の指標 |
| 社会性等 | 建退共・退職一時金制度・法定外労災などへの加入状況、防災協定の締結状況など |
このように、会社の売上規模や財務状況、技術職員の数、福利厚生の状況まで、経営事項審査の結果通知書と同様の、かなり詳しい情報が公開されます。経審の結果が公表されるのは、公共工事の入札の透明性を確保し、虚偽の申請を防ぐためです。発注者だけでなく、同業者や一般の人も確認できることで、いわば相互監視の役割を果たしています。
CIICのウェブサイトで経審の結果を確認する方法
経審の結果は、次の手順で検索できます。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 一般財団法人建設業情報管理センター(CIIC)のウェブサイトにアクセスする |
| 2 | トップページの「経営事項審査結果の公表」から、企業検索のページへ進む |
| 3 | 商号(会社名)や許可番号など、検索条件を入力して検索する |
| 4 | 該当する会社を選択し、経審の結果を表示する |
ただし、検索できるのは、有効期間内(審査基準日から1年7か月以内)の結果に限られます。有効期間内に2回受審している場合は、直近の結果のみが表示されます。有効期限が切れた古い結果や、経審を受けていない会社の結果は表示されません。
(公表データの活用方法)
CIICの公表データは、次のような場面で役立ちます。
- 下請会社や取引先が経審を受けているか、どのくらいの規模の会社かを確認する
- 同じ業種・同じ地域の同業他社のP点や評点と、自社の結果を比べる
- 自社の結果通知書が手元に見当たらないときに、記載内容を確認する
ただし、公表データの画面は結果通知書そのものではありません。入札参加資格申請や取引先への提出で結果通知書を求められた場合に、公表データの印刷で代用できるかどうかは、提出先に確認してください。
7.結果通知書を紛失したときはどうする?
経営事項審査結果通知書は、原則として再発行されません。紛失してしまった場合は、写しや電子データが残っていないか、確認しましょう。そのうえで、CIICに公表されているデータを確認し、提出先や許可行政庁に対応を相談することになります。
結果通知書を紛失した際には、次の順番で対応を検討しましょう。
| 順番 | 対応 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 写し・電子データを探す | 社内でコピーやスキャンしたPDFを保管していないか、入札参加資格申請の控えに添付していないか、手続きを依頼した行政書士が写しを保管していないかを確認する |
| 2 | 公表データで内容を確認する | 有効期間内の結果であれば、CIICのウェブサイトや許可行政庁の閲覧で、P点や各評点などの記載内容を確認できる |
| 3 | 提出先に確認する | 結果通知書の提出を求められている場合は、写しや公表データの印刷などで代わりになるかを、発注者や取引先に確認する |
| 4 | 許可行政庁に相談する | 自治体によっては、再発行の代わりに「結果通知書を受けていることの証明書」を発行している場合がある。取扱いの有無を許可行政庁に確認する |
公表データで記載内容を確認する
東京都では、経審の結果をインターネットと閲覧の2つの方法で公表しています。公表されているのは、経審を受けた建設業者本人に通知している内容と同じ、総合評定値(P点)や完成工事高などの審査項目ごとの数値・評点です。
ただし、公表されているのは有効期間内(審査基準日から1年7か月以内)の直近の結果に限られます。有効期限が切れた古い結果通知書は、公表データでは確認できません。インターネットでの確認方法は、前の章「経審の結果はインターネットで公表されている」をご覧ください。
再発行の代わりに「証明書」を発行している自治体もある
結果通知書そのものは再発行されませんが、自治体によっては、紛失した場合や発注者に提出する場合に備えて、経審の結果を受けていることを証明する「証明書」を発行しているところがあります。たとえば、福岡県や富山県では、知事許可業者を対象に、経営事項審査結果の証明書の交付手続きを設けています。
このような取扱いの有無や、必要な書類・手数料は、許可行政庁ごとに異なります。東京都知事許可の場合も含め、紛失に気づいたら、まずは許可行政庁の窓口に取扱いを確認してください。
(経審の専門家としての視点)
結果通知書は「受け取った日」にPDF化しておくのが鉄則です。
結果通知書は、入札参加資格申請のたびに内容を確認したり、取引先から提出を求められたりと、有効期間中に何度も使う書類です。一方で、原則として再発行されないため、紛失したときの手間は小さくありません。
受け取ったらすぐにスキャンしてPDFで保管し、原本は建設業許可通知書などと一緒に、決まった場所で保管するようにしましょう。前回の結果通知書も、次回の経審結果と比較するために、捨てずに保管しておくことをおすすめします。
8.経営事項審査結果通知書に関するよくある質問(Q&A)
経営事項審査結果通知書について、建設業者の皆さまからよく寄せられるご質問をまとめました。
A:もっとも多いのが、国・都道府県・市区町村などの公共工事の発注機関に入札参加資格を申請するときです。そのほか、民間工事であっても、元請会社が、大規模な工事を発注する前に、下請会社の規模や信頼性を確認する目的で提出を求めることもあります。
A:提出先によって異なります。写し(コピー)の提出で足りる場合もあれば、原本の提示を求められる場合もあります。結果通知書は原則として再発行されないため、原本を手放す必要があるかどうかは、事前に提出先へ確認しておくと安心です。
A:東京都知事許可の場合、標準処理期間は申請受付から22日(閉庁日を含まない)で、暦日ではおおむね1か月程度です。書類の補正や手数料の納付にかかった期間は含まれないため、補正があるとさらに時間がかかります。詳しくは「結果通知書の受け取り方と、届くまでの期間」をご覧ください。
A:いいえ。P点が記載されるのは、経営事項審査を申請した業種だけです。建設業許可を持っていても、経審を申請していない業種にはP点がつかず、その業種では入札参加資格を申請できません。入札に参加したい業種は、漏れなく経審を申請しましょう。
A:令和8年7月1日から、社会性等(W)の審査項目が見直され、東京都でもW点に関する申請書類が新しい様式になりました。改正の前後で結果通知書を比べるときは、W点の評価項目そのものが変わっている点に注意してください。
なお、経営規模等評価の基準が改正された場合、改正前の基準で結果通知を受けた建設業者は、改正の日から一定期間内であれば、再審査を申し立てられる取扱いがあります。対象になるかどうかや期限については、許可行政庁の案内を確認してください。
A:経営事項審査の手数料や、経営状況分析の手数料については、「経営事項審査(経審)とは?制度の仕組み・対象者・流れをわかりやすく解説」の「経審にかかる費用と期間の目安」の章で解説しています。
A:総合評定値P点は、X1・X2・Y・Z・Wの各評点を複雑な計算式に当てはめて算出します。P点を上げるには、この各評点の中身を理解することが重要であるとともに、優先順位を理解して対策に取り組むことが効率的です。優先順位については、「経営事項審査(経審)の点数を上げる方法【優先順位】を専門行政書士が解説」で詳しく解説しています。
A:経審は、自社で申請することもできます。しかし、専門的な知識が必要であること、申請の仕方によって結果がまったく異なってくることから、必ずしも、自社での申請がベストかというとそういうわけではありません。自社で対応できるかどうかの判断基準や、行政書士に依頼する場合のメリット・費用相場については、「経営事項審査は行政書士に依頼すべき?費用・選び方を解説」で整理していますので、あわせてご覧ください。
9.まとめ|経営事項審査結果通知書でお困りなら
経営事項審査結果通知書(正式名称:経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書)について、このページで解説した要点は次のとおりです。
- 経営事項審査結果通知書は、経審を受けた建設業者に許可行政庁が交付する書類で、公共工事の入札参加資格の等級(ランク)の基礎となる総合評定値(P点)が記載されている
- 2つの名称が併記されているのは、経営規模等評価(X1・X2・Z・W)と、これに経営状況分析(Y)を加えた総合評定値(P点)の2つの結果を、1枚にまとめて通知しているため
- 受け取ったら、まず審査基準日と業種ごとのP点を確認し、申請書や決算変更届、前回の結果通知書と照らし合わせる
- 許可行政庁側の誤りであれば、受け取った日から30日以内に限り再審査を申し立てられるが、申請者側の誤りは対象外
- 東京都知事許可の場合、窓口申請でも電子申請(JCIP)でも紙の通知書が郵送され、標準処理期間は申請受付から22日(閉庁日を含まない)
- 有効期限は審査基準日から1年7か月。次の決算日から7か月以内に、新しい結果通知書を受け取る必要がある
- 結果通知書は原則として再発行されない。記載内容はCIICのウェブサイトで公表されている
経営事項審査は、とても難しい手続きです。そのため、経営事項審査の結果通知書である「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」も簡単に取得できるものではありません。特に
■ 取引先への提出が必要である
■ 入札参加資格申請の期限が迫っている
■ 通知書の内容に改善点がないか、専門家に確認してほしい
■ 自社の状況に合わせて、次の経審に向けた具体的な対策を知りたい
といった場合は、インターネット上の一般的な情報だけでは判断しきれないことも少なくありません。結果通知書は、あとから「訂正」「変更」ができないことから、経審申請段階での不備や誤入力が、その先の入札参加資格の取得や、公共工事の受注にも影響が出てきます。
行政書士法人スマートサイドは、東京都の経営事項審査の専門家として、経営事項審査の申請手続きや、公共工事の受注に向けた経審対策まで、数多くの建設業者さまのご相談をお受けしてきました。クライアントの中には、結果通知書に記載されたP点を100点以上アップさせた会社や、東京都の2億円を超える公共工事の受注に成功した会社もいらっしゃいます。
弊所では、ご相談者お一人おひとりに適切に対応し、質の高い面談時間を確保するため、事前予約制の有料相談(1時間11,000円)を実施しています。御社の状況をお伺いしたうえで、取るべき対応をそ具体的にご案内いたします。
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