東京都の経営事項審査を専門に取り扱う行政書士法人スマートサイドでは、完成工事高の振替によって、土木一式工事の総合評定値P点を「振替を行わなかったシミュレーション値679点」から「実際に取得した876点」へ、197点アップさせた実績があります。
今回ご紹介するのは、東京都内の建設会社A社の成功事例です。A社は、土木一式工事の完成工事高が0円でしたが、「とび・土工工事」「鉄筋工事」「舗装工事」の完成工事高を土木一式工事に振り替えることで、P点を大幅に改善することができました。
この記事では、シミュレーションした経営事項審査結果通知書を用いて、振替前後の完成工事高とP点の変化を具体的に紹介します(※守秘義務に配慮し、事例の一部を加工しています)。
経営事項審査の審査項目には、「X1(業種別完成工事高)」という項目があります。この「X1(業種別完成工事高)」は、業種別の2年平均または3年平均の完成工事高を「X1評点」と数値化し、総合評定値P点を算出するための点数です。
このページでは、X1評点を算出する際の「完成工事高の振替」を利用したA社の成功事例に特化して説明を行っています。そのため、「X1評点」全般について詳しく知りたい方は、「経営事項審査のX1評点(業種別完成工事高)とは?点数の仕組みと上げ方を解説」のページをご覧ください。
また、そもそも、「経審とは何か?」といった制度の仕組みや流れを知りたい人は、下記ページをご参考ください。

東京都の経営事項審査の専門家。経審の手続きはもちろんのこと、制度や仕組みだけでなく東京都の独特のルールにも精通。クライアントが、総合評定値P点を100点以上アップしたり、2億円を超える東京都の公共工事を受注するなど、数多くの成功実績を誇り、お客さまからの信頼も厚い。「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版。
過去2年間の完成工事高
A社の過去2年間の完成工事高は、以下のような推移をたどっています。土木一式工事は、「前期」も「今期」も実績が0となっています。
| 業種 | 前期 | 今期 | 2年平均 |
|---|---|---|---|
| 土木一式 | 0千円 | 0千円 | 0千円 |
| とび | 1,488,038千円 | 1,158,341千円 | 1,323,190千円 |
| 鉄筋 | 143,001千円 | 346,469千円 | 244,735千円 |
| 舗装 | 0千円 | 179,514千円 | 89,757千円 |
| 【合計】 | 1,631,039千円 | 1,684,324千円 | 1,657,682千円 |
完成工事高の振替を行わなかった場合の総合評定値P点
上記の完成工事高をそのまま使用して、完工高の振替を行わなかった場合の、総合評定値P点(試算値)は、以下の通りです。
| 業種 | 総合評定値P点 |
|---|---|
| 土木一式 | 679点 |
| とび | 812点 |
| 鉄筋 | 751点 |
| 舗装 | 745点 |
完成工事高の振替を行った場合の総合評定値P点
前提として、経営事項審査には、「完成工事高の振替」という制度があります。東京都の場合、以下のように、業種間の完成工事高の振替が認められています。
(1)専門工事から一式工事への振替
| 振替先の一式工事 | ← | 振替元の専門工事 |
|---|---|---|
| 土木一式工事 | ← | とび、石、タイル、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、水道施設 |
| 建築一式工事 | ← | 大工、左官、とび、屋根、タイル、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装、建具、解体 |
(2)専門工事間の振替
| 専門工事 | ⇔ | 専門工事 |
|---|---|---|
| 電気 | ⇔ | 電気通信 |
| 管 | ⇔ | 熱絶縁 |
| 管 | ⇔ | 水道施設 |
| とび | ⇔ | 石 |
| とび | ⇔ | 造園 |
このように、X1評点を算出するための「業種ごとの完成工事高」は、別の業種に振り替えて申請することができるのです。
そこで、この制度を利用し、A社の「とび」「鉄筋」「舗装」の完成工事高を「土木一式工事」に振り替えて経営事項審査を申請した場合、総合評定値P点(実際の数値)は、以下のようになります。
| 業種 | 振替後の2年平均 | 振替後のP点 |
|---|---|---|
| 土木一式 | 1,657,682千円 | 876点 |
| とび | 0円 | - |
| 鉄筋 | 0円 | - |
| 舗装 | 0円 | - |
なぜ土木一式工事への振替を提案したか?
A社は、以前は別の行政書士の先生に手続きを依頼されていたとのことでしたが、売上高の振替や、経審後の入札手続きについてのアドバイスは一切受けたことがないとのことでした。
そこで、A社からの相談を受け、A社の経営事項審査を検討するにあたり、東京都の公共工事の入札参加資格における申請業種についても確認しました。
その結果、A社にとって最も重要なのは「とび」や「鉄筋」などの専門工事の点数ではなく、土木一式工事のP点を高めることでした。そこで、東京都の完成工事高の振替制度を活用し、入札申請時に有利になるように、他の専門工事の完成工事高を土木一式工事に集約する方法を検討しました。
経営事項審査では、単に「申請書類を作成し、申請を通す」だけでなく、その会社が、今後どのような公共工事の受注を目指しているのか?も加味したうえで、その会社にとって、ベストな申請を行うことが重要です。
完成工事高の振替の際の注意点
A社は、完成工事高の振替を行うことによって、土木一式工事の総合評定値P点を679点から876点にアップさせることができました。実に、197点もアップしたことになります。
このように、完成工事高の振替という制度を利用することによって、経審の結果を格段に良くすることができます。しかし、注意点がないわけではありません。
(完工高の振替の際の注意点)
- 振替元の業種も、振替先の業種も、ともに建設業許可を持っている業種でなければなりません。建設業許可を持っていない業種の完成工事高については、振替制度を利用することができません。
- 完成工事高の一部のみの振替を行うことは、できません。振替制度を利用する場合には、業種別完成工事高の全額を振替しなければならず、「一部を振替元に残す」「一部のみを振替先に移す」ということができません。
- 振替元の業種では、経営事項審査を受けることができません。振替元の業種は、振替を行った結果「経審の点数が低くなる」のではなく「経審を受けることができなくなる」ので、注意が必要です。
- 振替制度のルールは、許可行政庁によって異なります。このページでは、東京都知事許可の経審の成功事例を紹介しているため、東京都のルールに則って記載しています。
経営事項審査の専門家としてのアドバイス
東京都の経営事項審査において、完成工事高の振替は、比較的よく知られている点数アップの方法です。なぜなら、手引きに明記されており、いわゆる「裏技」ではないからです(なお、その他の点数アップの方法を知りたいという人のために、経審の点数アップの方法を完全解説したYouTube動画もアップしています。詳しくは、以下のページをご覧ください)。
しかし、多くの人が、この振替制度を利用することなく、申請しています。先ほどのA社の例でいうと、まったく同じ数字(完工高)であるにもかかわらず、申請の仕方だけで点数が197点も違ってくるのです。このやり方を知らないというだけで、197点を損しているといっても過言ではありません。
さて、御社の経営事項審査は、いかがですか?
■ ただ、漫然と経営事項審査を受けている
■ お願いしている行政書士は経審に、詳しくないみたい
■ 自社で申請しているが、振替制度なんて聞いたことがなかった
■ どうせ経審を受けるなら、はじめから専門家にお任せしたい
と思った人も多いのではないでしょうか?
行政書士法人スマートサイドは、東京都の経営事項審査の専門家として、「これから経審を受けよう」と思っている会社は、もちろんのこと、「すでに経審を受けているのだけれども、本当にこれで合っているのかわからない」という人のために、事前予約制の有料相談(1時間11,000円)を承っております。
御社の個別の事情に応じて、きめ細かなアドバイス、点数アップの方法をご案内させていただきますので、ぜひ、こちらのページからお申し込みください。







